VAIO TypeZ(VGN-Z92PS)のHDDクラッシュ原因検討と対策2(熱対策)

2013-06-13

IT Windows 分解

VAIO TypeZ(VGN-Z92PS)のHDDクラッシュ原因検討と対策1(memtest86+)の続き。

参考情報
  1. SONY VAIO TypeZの熱暴走での強制終了対策!
  2. 初代VAIO typeZ VGN-Z9 熱暴走対策を行いました!
    (1とあわせて)福岡の業者さんが、熱対策にグリスを塗り直した内容。ファンの記載もあり。
  3. SONY VAIO Z VGN-Z90S 使用中に突然電源断
    高負荷で電源が落ちるようになったので、排気口回りの掃除したり、ゴム足をつけて底面の空間を確保したり、メモリーの蓋を空けたままにしたり、クロックを下げたり、冷却台を置いたりしたら、現象が起こらなくなったという内容。
  4. VAIO type Z(Z90S) また入院の巻・そして退院の巻
    熱いのでSonyに修理に出したら、内部掃除をして戻ってきたという内容。
  5. VAIO typeZにおもいっきり負荷をかけて発熱具合を調べてみる。
    いろんなVAIOで、ソフト計測および実測で温度をはかった結果のまとめ。
  6. 「冷える」CPU用放熱グリスを探せ!×2×3
    いろいろなグリスの比較
  7. シルバーグリスは、CPU 純正ファンに塗られたグリスを本当に超えるのか?
    グリスの種類について説明あり。比較結果は、大差なしとの事。
  8. 高級グリスと格安グリスでCPUの冷え方はどう変わる?
    性能比較:高価な方がいいが、大きな差はなし。
    塗り方の比較:中央盛りと薄く伸ばすのでは差はなし。
    量:少量はダメ。多量は適量より少し悪い程度。
  9. シリコングリスの塗り方や量で 冷却効率は変わるのか?
    塗り方の比較:中央盛りと薄く伸ばすのでは差はなし。
    量:少量も多量も適量より少し悪い程度。(本文中には少量は論外と書いてあるけど)
  10. CPUグリスを塗るコツを紹介
    空気の隙間を埋めるだけで、できるだけ薄い方がいい。なぜならば、金属通しの方がグリスより熱伝導率が高いから。
  11. シルバーグリスの恐怖
    シルバーグリスを塗りすぎて、マザーボードが壊れた話。
検証と対策(の続き)
  1. 熱暴走
    前記事2のメモリーテストをしていて、熱暴走という可能性を感じるようになった。熱暴走という言葉はよく聞くが、自分で経験したことはないと思う。自作PCやオーバークロックに興じた事はないし、普通に使う分には黎明期のパソコン(TK-80とかPC-8001とかMZ-80とかの時代)で起こるようなイメージだった。
    「TypeZ 熱い」で検索しようと思って、「TypeZ 熱」まで入れたら、「TypeZ 熱暴走」のサジェスチョンが現れた。どうも話題になっている事のようだ。参考情報1~5辺りがその結果。症状もmemtest86+を実施していた時と似ている気がする。
    まずは、温度計測。CPUの温度を測るのは「Core Temp」、GPUは「GPU-Z」というのが定番のようだ。ちなみに「CPU-Z」というのもあるが、温度は表示されなかった。インストールして調べてみると、起動後のアイドル状態なのに、CPUは60度、GPUは90度ぐらいだった(と思う)。これはやっぱり異常だろう。しばらくはHDDクラッシュが怖いので、クロックを制限して使用した。
    よくある原因としては、
    • ファンに埃が溜まっていて、冷却性能が低下する。
    • CPUの冷却グリスが乾いてしまって性能低下する。
    などがあるようだ。
    そういえば、HDD交換のためにキーボードは外すと中が埃だらけだった。軽く埃はとって元に戻したが、ファンの中にそれほど埃が溜まっているという印象はなかった。
    冷却グリスというのは知らなかったが、 CPU本体とヒートシンクの隙間を埋めて、放熱しやすくするもののようだ。

    放熱グリス
    • 種類(参考情報7他参照)
      シルバーグリス、セラミックグリス、シリコングリスの順に性能(熱伝導率)がいいらしい。シルバーグリスというのは、銀の粒が入っているらしいのだが、銀なので導電性があり、つけすぎて垂れて端子間に入ったりすると、CPUやボードが壊れてしまうリスクがあるようだ。初心者なので、シルバーグリスは避けることにした。
      また、粘度がいろいろで、硬めのものは塗りにくく、柔らかめのものは垂れやすく乾きやすいようだ。適度な粘度がよさそうだ。
      一度塗るとはがしにくくなるものもあるらしく、初心者として、また将来の塗り直しを考えると、引っ付いてしまうようなものは避けたい。
    • 購入
      今まで気づいた事がなかったけど、PCショップには結構な種類のグリスが置いてあった。
      • シリコングリスいくつか
        安いけど、熱伝導率0.*W/m・Kなので、やっぱりもう少し数字のいいものにしたくなってやめた。
      • DeepCool「Z9」
        480円。熱伝導率:4W/m・K。北京の会社らしい。価格、性能はちょうどいい感じ。ただ、非導通と書いてあるが、成分は酸化銀と書いてある。酸化してれば導通しなさそうだが、信じていいのか。壊してしまうリスクは避けたいのでやめた。
      • アイネックス「AS-04A」
        680円。熱伝導率:5.1W/m・K。想定よりちょっと高いが、セラミックなら導電性については安心だろうということで、これにした。
    • 塗り方
      諸説あるようだが、少なすぎはよくないようなだし、適量がどのくらいかもわからないので、CPUとヒートシンク側の両側に、薄く広げて塗ることにした。
    作業
    分解は、キーボードを空けるところまではHDD換装時に実施したので問題なかった。
    私は、紙にビスのある場所を書いてから両面テープを貼り付け、その上に外したビスを張り付けるようにしている。

    まずは、ファンの掃除から。エアーガンがあったので、ファンの辺りに吹き付けると、排熱口からボワッと大量の埃が噴き出てきた。これは結構影響があったかも。

    銅の曲がった棒のようなものがヒートシンクで、ファンに熱を伝えるらしい。その先端の下あたりにCPUがあり、グリスを塗るならCPUと銅の間に塗る必要がある(参考情報1,2参照)。更にばらすためには、VAIOのヒンジの両端にあるキャップをとる必要があるのだが、しばらくトライしても外せなかった。ファンの掃除が結構効果がありそうな気がしたので、グリスは諦めることにした。せっかくいっぱい調べて購入したけど。
    蓋を閉めて作業終了。(右はキーボードの裏)

    効果確認
    Core TempおよびCPU-Zで確認すると、あまり条件が厳密ではないが、CPUで15℃程度、GPUで20℃程度さがっているようだ。

VAIO TypeZ(VGN-Z92PS)のHDDクラッシュ原因検討と対策3(確認)に続く。